ラオス・中国鉄道が開通して1年半ほどになりますが、そのエリアは首都ビエンチャンからラオス北部になります。ラオスの南部へは、依然、鉄道は無く、主な公共交通機関は飛行機かバスになります。そのため、外国人旅行者が陸路移動する手段の中心はバスになると思います。バスと言っても、いわゆるバスの形をしたものから、10数人乗りのバンであったり、トラックの荷台であったりします。それら「バス」がラオスの国土を縦横無尽に張り巡らされており、各地を移動するのは貴重な存在です。
しかし、主要都市間を除くと、どこを走るのか、どこから乗れるのか等、分かりにくい部分も多いと思うので、私が実際に乗った状況を記事にしてみたいと思います。エントリーするのは、私自身が実際に乗車した記録のみで、乗っていない区間は正確性を考えエントリーしません。
路線番号、路線名称でインデックスを作っています。右側のリンク「ビエンチャンバス案内 インデックス」をクリックしていただくと、目次のように番号順に表示されます。
中長距離のバスは、ラオス全土に渡りますので、全区間の紹介はできないでしょう。乗車の機会があったルートから順次紹介していく予定です。途中の経由地などは細かく記録していきますので、ルート上の経由都市に行きたい場合なども参考になるでしょう。ただ、ルートの変更等も発生するかと思いますので、乗車プランの参考程度にお考えください。
ラオス中長距離バス案内
ビエンチャン(南)⇒ターケーク線
(ビエンチャン南バスターミナル⇒バンビエン)
路線情報
ビエンチャン南バスターミナル~国道13号線~パークサン~パークかディン~ビエンカム交差点~ターケーク4KMバスターミナル
※多少の違いはありますが往路・復路とも同一ルートです。
※以前(2021年2月)にも同区間に乗車していますが、今回(2023年3月)にも、パクセー行きの普通バスに乗車し、ビエンチャンからターケーク間を利用しています。
バス情報(料金、その他)
・ビエンチャン⇒ターケーク間:120,000KIP。※ノーマルバス
・南バスターミナルではチケットオフィスで購入可能。
※ただし、次に発車するバスのチケットしか購入できないため、早く到着すると、チケット購入開始を待つことになる。乗車後に車掌から購入することも可能。チケットも発行される。
※ビエンチャン⇒ターケーク間は、パクセー、サワンナケート方面へのバスへも乗車可能。そのため、本数は多く、運行頻度は30分から1時間に1本程度。
※南バスターミナルに掲示されている時刻表以上にバスは発着している。
※車両は小型のマイクロバスタイプから大型観光バスまで様々。どのバスにあたるかは運次第。もし、バスが気に入らなければ、後発のバスにすることも可能。
ルート周辺
起点はビエンチャンの南バスターミナルです。
外国人旅行者が地方都市に向かう際に利用する長距離バスターミナルのひとつです。南部各都市へ旅行する場合は、ここから出発することになります。
起点となるビエンチャン南バスターミナルの様子やアクセス方法は下記からお読みいただけます。なお、コロナ期間中の記事のため、路線バスによるアクセスは、運行本数が大きく異なります。その部分は、今回の記事でアップデートします。
今回乗車するバスは、このオレンジ色のバスです。
行先の板には、パクセーとか書かれており、終点はパクセーになります。今回はビエンチャンからパクセーへ向かうバスで、ターケークへ向かいます。
バスのチケットです。
かなり走り書きですが、左下の4桁の数字がバスのナンバープレート番号です。その右横が出発時刻(11時30分)です。料金は以前乗車時の60,000Kipから2倍の120,000Kipになりました。
バスは定刻(11時30分)に出発しました。ただ、バスターミナルを出てすぐのところで停車し、お客さんを集めます。一応、定刻になったら出発しないといけない規則になっています。ただ、もう少しお客さんを集めたいのでしょう。30分ほど停車して、集客していました。
そして、ようやく出発したとしても、市内を走る間は、時速20Km程度のノロノロ運転です。理由は、途中にいるお客さんを逃さないためですね。
こんな感じで、最初の5kmほどに1時間程度要しました。
バスの車内です。
きれいとは言えないですが、一応、カーテンなどもついており、長距離バスの雰囲気は感じます。
定刻から約2時間、首都ビエンチャンの端っこあたりで、ようやく少しスピードが上がりました。道路もきれいに舗装されており、ようやく、これで快適なバスの旅になりそうです。なお、ここまでの走行距離は50㎞も進んでいません。
ただ、その快適なバスの旅は一瞬で終わりました。
舗装道路はなくなり、土の道になりました。以前の乗車時はこのような状況ではなかったのですが、どうやら、再舗装をしているようです。工事が終われば快適な道路になるのでしょうが、現在は、砂埃をあげながらゆっくり進みます。
そして、その道をさらに進むと古い舗装と穴ぼこだらけの道になりました。これも、以前の乗車時にはなかったことですが、ラオスの道路はどんどん劣化して言っているようです。定期的にメンテナンスしないと道路はこんな状態になるのですね。
速度は穴を避けるため、さらに低下し、時速20㎞程度です。
出発から5時間以上かけて、ボーリーカムサイ県のパークサンに到着しました。
ここでは休憩と集客のため、また、ノロノロ運転になります。
いくつか川を渡って、タケークを目指します。バスターミナルのスタッフは
「タケークまでは約6時間」
と言っていましたが、タケークまでの行程の半分を過ぎたあたりで6時間を経過しました。時刻も夕方になっており、もしかしたら到着は深夜になるかもしれません。
出発から8時間、ビエンカム交差点に到着です。ここからはベトナム方面へ分岐する道が伸びています。その途中には、「ラクサーオ」「コンロー」といった街もあり、それらへ向かうバスは、このビエンカム交差点を左折していきます。
なお、「コンロー」には「コンロー洞窟」があり、2020年2月に訪問しています。その時の旅行記は下記からお読みいただけます。
ビエンカム交差点を出た頃には、すっかり暗くなっています。
窓の外にオレンジ色の炎が見えました。山火事かと思いましたが、野焼きの炎です。この時点(3月下旬)はまだ雨季に入っておらず、野焼きが盛んに行われていました。この影響でPM2.5が発生し、この時期、ラオスの大気汚染は世界最悪の状況でした。
ビエンカム交差点を過ぎると、あとはターケークまであと一息です。時刻は19時をまわり、陽も沈みました。深夜になることはなさそうですが、ターケーク到着は21時頃の予定のようです。出発から10時間です。バスターミナルの「6時間」は何だったのでしょうか。
出発から10時間、21時にターケーク4kmバスターミナルに到着しました。なお、「4km」は国境から4kmということで、ほぼメコン河から4kmという意味になります。ちなみに「2km」「3km」バスターミナルというのも存在するようです。
4kmバスターミナルは下記になります。
ターケークの市街地まで約4kmあることになります。
市街へ向かう公共交通機関はトゥクトゥクしかありません。ターミナル内にいるトゥクトゥクドライバーと交渉しましょう。彼らの言い値は一人の場合は100,000Kipですが、最低でも50,000Kipぐらいまでは交渉可能でしょう。4人程度になれば20,000Kipで行けるようです。
いかがだったでしょうか。
ビエンチャンの南バスターミナルからターケークまで約360kmの行程を所要約10時間で走ります。以前はこんなにかからなかったのですが・・・。
交通機関の所要時間は時間とともに短くなるものと思っていましたが、この数年でラオスでは3~4時間、遅くなっていました。
遅いバスに長時間乗るのは、精神的にかなりきついです。ラオスのバスに乗る際は、覚悟してご乗車ください。
なお、バスの様子を動画にもしています。タイ語音声になりますが、以下の動画もぜひご覧ください。
今回は、以上です。
今日の路線バス:ビエンチャン(南)⇒ターケーク線(ビエンチャン南バスターミナル⇒ターケーク))
場所:Southern Bus Terminal - Thakeak